子どもは一度おやつの味を覚えてしまうとたくさん食べたがります。
中にはおやつを食べすぎてしまい、ご飯が食べられなくなる子もいるくらいです。
またおやつの中には虫歯のリスクが高いものもありますが、このようなものを与えるとき、親御さんは工夫を凝らす必要があります。
今回は具体的な工夫の仕方を中心に解説します。
虫歯になりやすいおやつを与える際の工夫3選
以下の虫歯になりやすいおやつを与えるときは、虫歯のリスクを減らす工夫が必要です。
・キャンディー
・チョコレート
・ジュース
それぞれの虫歯リスクが高い理由と、具体的な工夫内容を説明します。
キャンディー
キャンディーは砂糖が多く含まれているため、虫歯を発症しやすくなります。
一般的には、1粒につき5g程度含まれています。
こちらの数字だけ見ると、それほど多くないよう見えますが、5gはスティックシュガー1本分に相当する量です。
そう考えると、どれだけ砂糖が大量に含まれているかがわかります。
またキャンディーは、少しずつ舐めて小さくしていくため、口内に滞在している時間が長いです。
食べ物が滞在する時間が長ければ長いほど、口内が酸性に傾く時間は延びますし、その間砂糖の影響を受け続けるということでもあります。
そのため、親御さんが子どもにキャンディーを与える際は、糖アルコールなどの代用甘味料が含まれているものを選びましょう。
代用甘味料にはキシリトールマルチトール、ソルビトールやエリスリトールなどが挙げられます。
これらが含まれている製品かどうかは、商品の成分表を見ればすぐにわかります。
さらにパッケージ裏の成分表では、砂糖が使われていないかどうかも確認すべきです。
代用甘味料が含まれているからといって、砂糖が使用されていないとは限りません。
表面にシュガーレスもしくはノンシュガーの表記があれば、すぐに砂糖不使用ということが判断できます。
チョコレート
チョコレートも、子どもが大好きなおやつの一つですが、虫歯リスクは極めて高いです。
虫歯リスクが高い理由としては、キャンディーと同じく砂糖が多く含まれること、そして粘性があり歯面に残りやすいこと、歯と歯の間に詰まることなどが挙げられます。
1粒のミルクチョコレートには、一般的に約2.6gの砂糖が含まれています。
ホワイトチョコレートになると、砂糖の含有量はさらに増加するケースが多いです。
またチョコレートは粘性の高い食べ物であるため、食べた後歯の表面に残りやすいです。
そのため、食後のブラッシングがおろそかになると、虫歯のリスクが著しく高まります。
さらに、チョコレートは食べる過程で溶けていきますが、このとき溶けたチョコレートが噛み合わせの溝や歯と歯の間に入り込むことがあります。
丁寧に時間をかけてブラッシングをしなければ、こちらも取り除くことができず、虫歯を発症してしまいます。
親御さんが子どもにチョコレートを与える際は、これらのデメリットを加味し、カカオポリフェノールの含有量が多く、砂糖が少ないものを選んでください。
カカオポリフェノールには、抗菌作用や抗酸化作用があり、虫歯や歯周病の予防に効果があるという研究報告も発表されています。
特にカカオポリフェノールを多く含むのは、ミルクチョコレートではなくビターチョコレートです。
しかし、子どもにとってビターチョコレートは、少し摂取のハードルが高いおやつだと言えます。
そこで親御さんが意識したいのは、砂糖の代わりにキシリトールが含まれているチョコレートを与えることです。
キシリトールは、砂糖の代わりに使用される甘味料の一つであり、虫歯菌のエサにはなりません。
その上、歯の再石灰化を促し、プラークが落ちやすくなる効果もあります。
ちなみに、チョコレートの中にはキシリトール100%の商品もあるため、子どもの虫歯を防ぐために一度食べ与えてみましょう。
ジュース
子どもは甘い食べ物だけでなく、飲み物も大好きです。
中でも甘いジュースは大好物であり、ご飯の際もお茶ではなく、ジュースを求める子どもに手を焼く親御さんも多いでしょう。
しかし、コーラやカルピスといった特に子どもが好むジュースには、大量の砂糖が含まれています。
またリンゴなどの果物を使ったジュースも、実は虫歯のリスクが高いです。
果物のジュースには、果物由来のショ糖という糖分が多く含まれています。
その上、果物の酸味や保存のために、酸性になっているものもあります。
そのため、与え方に注意しなければ、簡単に虫歯になってしまいます。
ジュースの与え方としては、人工甘味料が含まれているゼロカロリーコーラなどを与えたり、飲んだ後にすぐ口をゆすがせたりすることが望ましいです。
まとめ
どの親御さんも、「子どもの好きなものを食べさせてあげたい」と本心では思っているはずです。
しかし乳歯は歯質が弱いため、永久歯と比べて虫歯になりやすく、一度虫歯を発症すると凄まじい早さで進行します。
その上、子ども自身はブラッシングの技術も未発達ですから、親御さんがおやつの与え方を工夫するのは大切なことです。