歯科クリニックで提供されるホワイトニングの効果には、個人差があります。
そのため、思ったよりも白くなる方もいれば、あまり効果を実感できない方もいるというのが事実です。
しかし一切効果がない場合、何らかの原因があることが考えられます。
今回はこのようなケースの主な原因について解説します。
ホワイトニングの効果が一切ない場合の原因6選
以下の原因により、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングの効果が一切現れないことがあります。
・人工歯や詰め物をホワイトニングしている
・神経のない歯やテトラサイクリン歯をホワイトニングしている
・歯の根元が着色している
・ホワイトニング剤が少ない
・施術期間が短い
・日常生活が不適切
各項目について詳しく説明します。
人工歯や詰め物をホワイトニングしている
人工歯や詰め物をホワイトニングしている場合、一切施術の効果は出ません。
ホワイトニング剤が効果を発揮するのは、あくまで天然歯のみです。
そのためセラミックやレジン、差し歯といった人工的な歯は、ホワイトニングで白くすることができません。
もし人工歯や詰め物の色が気になるのであれば、新しいものに交換するか、より審美性の高い補綴物を装着することが望ましいです。
レジンなどの保険診療の詰め物は、比較的着色するのが早く、逆にセラミックなどは長い間使用しても色の劣化がほとんど見られません。
神経のない歯やテトラサイクリン歯をホワイトニングしている
神経のない歯がある方も、その部分は一切ホワイトニングの効果が得られません。
歯の神経を抜いた歯は、内部から変色していき、次第に黄色っぽくなったり茶色・黒っぽくなったりします。
歯科クリニックで行うホワイトニングは、歯の外側から薬剤を浸透させるものであるため、このような歯には効果を発揮しません。
またテトラサイクリン歯がある方も、その部分だけホワイトニングの効果を得ることができません。
テトラサイクリン歯は、歯の形成期にテトラサイクリン系抗生物質を服用したことで生じる、変色した歯です。
神経がない歯と同じく、こちらの歯も目に見えてわかるほどの漂白効果を得るのは難しくなります。
歯の根元が着色している
歯の根元が着色している部分をホワイトニングで白くしたい場合も、一切効果が得られない可能性が高いです。
歯の根元付近は、表面の硬い層であるエナメル質が薄いです。
そのため、内側の象牙質が透けやすくなりますが、象牙質は元々黄色っぽい色をしています。
つまり象牙質の黄色が透けてしまうことから、ホワイトニングを行っても黄色っぽい見た目のままになるということです。
ちなみに、加齢や酸蝕症などが原因でエナメル質が薄くなっている場合、歯の根元だけでなく全体的にホワイトニングの効果を得るのが難しくなります。
ホワイトニング剤が少ない
自宅で行うホームホワイトニングでは、患者さんが最初から最後まで施術を行わなければいけません。
このとき、マウスピースに塗布するホワイトニング剤が少ないと、施術を継続しても一切効果が出ないことがあります。
ホームホワイトニングでは、歯科医師の指示通り、マウスピースに適切な量のホワイトニング剤を塗布しなければいけません。
このとき、量が少なければ効果が出ませんし、逆に塗布しすぎるとマウスピースから溢れてしまい、歯茎が炎症を起こすなどのトラブルにつながりやすいです。
施術期間が短い
ホワイトニングの施術期間が短い場合も、患者さんは一切効果を実感できないことがあります。
特にホームホワイトニングの場合、オフィスホワイトニングと比べて効果が現れるまでに時間がかかります。
こちらは、オフィスホワイトニングよりも効果がマイルドな薬剤を使用しているからです。
具体的には、施術開始から効果を実感するまでに2週間以上かかることもあります。
なかなか効果が出ないからといって、2週間経過する前にやめてしまうと、一切変化を感じられません。
日常生活が不適切
歯に問題がなく、正しくオフィスホワイトニングやホームホワイトニングを受けているにもかかわらず効果が出ない場合、日常生活が不適切な可能性が高いです。
例えばコーヒーや紅茶、赤ワインやカレーといった飲食物を頻繁に摂取していると、せっかく漂白効果が現れた部分も黄ばんでしまいます。
またタバコに含まれるヤニは歯の着色につながるため、効果を実感できない原因になります。
つまりこれらの習慣がある方は、一切ホワイトニングの効果が出ていないのではなく、効果を実感する前に元の色に戻っているということです。
まとめ
ホワイトニングの効果には個人差がありますが、正しい口内環境で正しく施術を受けていれば、ある程度は効果を発揮するものです。
しかし一切効果が得られないという場合は、先に歯の問題を解決したり、別の治療法を検討したりすることをおすすめします。
また患者さんの行動がホワイトニングの効果を阻害していることもあるため、施術期間中は必ず歯科医師の指示に従ってください。