ホワイトニングは、代表的な審美歯科治療として多くの方に選ばれています。
近年は、芸能人など限られた方だけでなく、一般の方も施術を受ける機会が増えています。
またホワイトニングと似たものにクリーニングがありますが、これらは似て非なるものです。
今回は、ホワイトニングとクリーニングの主な違いを解説します。
ホワイトニングとクリーニングの違い6選
似たような治療というイメージが強いホワイトニングとクリーニングですが、実際は以下のような違いがあります。
・目的
・施術方法
・アプローチの仕方
・種類
・総合評価
・保険適用
各項目について詳しく説明します。
目的
ホワイトニングとクリーニングとでは、そもそも施術の目的が異なります。
クリーニングは、歯の本来の色を出すことが目的です。
例えば歯石やステインなどが付着していると、歯が本来の色よりも黄色く見えることがあります。
歯科クリニックでクリーニングを受けることにより、これらを除去して歯本来の色を取り戻すことができます。
一方ホワイトニングは、歯を本来の色よりも白くすることが目的の施術です。
専用の薬剤や器具により、歯に働きかけることで、元々の白さよりもさらに白い歯を目指します。
施術方法
ホワイトニングとクリーニングは、施術方法もまったくと言って良いほど異なります。
クリーニングを行う場合、スケーラーや超音波機器、エアフローといった機器を使用し、歯の表面を磨きます。
これにより、プラークや歯石、着色汚れなどを落とすことができます。
これに対しホワイトニングは、ホワイトニング専用の機器を使用します。
オフィスホワイトニングの場合、照射器を用いて薬剤を歯に浸透させていきます。
またホームホワイトニングの場合、専用のマウスピースに薬剤を塗り、口内に装着することで歯を白くします。
アプローチの仕方
歯の汚れや黄ばみを除去するという意味では、ホワイトニングもクリーニングも同じですが、これらはアプローチの仕方が根本的に違います。
クリーニングの場合、アプローチするのは歯の外側です。
前述した通り、外側についている汚れを除去することで、施術前よりも白い歯が手に入ります。
一方、ホワイトニングは歯の内側からアプローチします。
具体的には、歯の内部を専用の薬剤で漂白し、キレイな白い歯を実現します。
種類
ホワイトニングとクリーニングはまったく異なる施術であるため、当然種類も異なります。
クリーニングの主な種類はスケーリング、ルートプレーニング、PMTCの3つです。
スケーリングは歯の表面に付着した歯石を除去するもので、ルートプレーニングは歯周ポケット内の歯根に付着した歯石、炎症組織を除去する施術です。
またPMTCは、専用の機器とフッ化物入りの研磨剤を用い、セルフケアでは除去できない歯面の清掃を行います。
一方、ホワイトニングにもオフィスホワイトニングやホームホワイトニング、デュアルホワイトニングといった種類があります。
オフィスホワイトニングは、歯科クリニックで歯科医師や歯科衛生士が施術を行うホワイトニングです。
これに対しホームホワイトニングは、患者さん自身がマウスピースを装着し、自宅で施術を行います。
さらにデュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを掛け合わせた施術で、高い漂白効果が期待できます。
総合評価
ここでいう総合評価とは、仕上がった歯の見た目に対する評価のことを指しています。
クリーニングの場合、実際歯を白くしているわけではなく、あくまで歯に付着した汚れを除去しているに過ぎません。
そのため、他人から見た総合評価は“白く見える”という程度にとどまることが多いです。
一方、ホワイトニングは実際薬剤を浸透させ、内側から歯を白くしています。
このことから、“白くなっている”というより上の評価を得られる可能性が高いです。
またホワイトニングは実際に歯が白くなっていることから、初対面の方などの評価も上がりやすいです。
保険適用
クリーニングは保険が適用されるケースがありますが、ホワイトニングは原則保険が適用されない自由診療です。
クリーニングが保険適用になるのは、虫歯や歯周病を治療する際、まず歯面をキレイにしなければいけない場合です。
また保険が適用されれば、初診時であっても3,500円程度で施術を受けられます。
これに対し、原則自由診療のホワイトニングは、数万円単位の費用がかかります。
具体的には、オフィスホワイトニングの場合で15,000~40,000円程度、ホームホワイトニングの場合で15,000~35,000円程度が相場です。
ちなみにこれらを組み合わせるデュアルホワイトニングは、さらに費用が高額になります。
まとめ
歯の色にコンプレックスを感じている方は、クリーニングを受けるかホワイトニングを受けるかで悩むこともあるでしょう。
どちらも歯をキレイにしたい方にとってはおすすめですが、白さを追求したい方が選ぶべきなのは、やはりホワイトニングです。
逆に「汚れを除去するだけで良い」「なるべく安く済ませたい」と考えている方は、クリーニングが向いています。