歯科クリニックでホワイトニングを受ける場合、患者さんは自身がイメージする白さを実現できて初めて、「ホワイトニングを受けて良かった」と思えるものです。
またホワイトニングでは、理想の仕上がりを目指すためにシェードガイドというものを使用します。
今回はこちらの概要や見方について解説します。
シェードガイドの概要
シェードガイドは、ホワイトニングを実施する際、歯の色味を測り確認するための色見本です。
こちらは、患者さんの歯の色を客観的に評価するのに役立ちます。
自身の歯の色は、毎日見えていると見慣れてしまい、通常よりも白いのか黄色いのかが判断しづらくなります。
シェードガイドがあれば、患者さんは明確に自身の歯の色を確認でき、今後の仕上がりについても予測しやすくなります。
またホワイトニングでは、しばしば思い通りの仕上がりにならないケースがあります。
例えば思ったよりも白くなかった場合や、逆に白くなりすぎて周りの歯から浮いてしまった場合です。
シェードガイドを見ながら選んだ色を目指してホワイトニングを行うことで、このような期待外れの結果に終わるリスクを軽減できます。
シェードガイドの色分けについて
シェードガイドには、違う色の歯が数種類ズラッと並んでいます。
これらの色については、W・A・B・C・Dの5種類に分けられます。
Wは白系、Aは赤茶色系、Bは赤黄色系の色味を表すものです。
またCは灰色系、Dは赤灰色系に区別されます。
さらに、これらの色は数字で細かく区別され、シェードガイドを見れば同じ歯でもまったく異なる色のものがあることがわかります。
ちなみにシェードガイドの色と数字の並び順については、必ずしも順番になっているわけではありません。
例えばA1・A2・A3などと並んでいるわけではなく、B1・A1・B2といったように不規則に並んでいます。
そのため、シェードガイドを見るときは、並んでいる歯の色だけ見ていれば特に問題ありません。
シェードガイドにおける白さの目安
ここからは、シェードガイドにおける以下の範囲における白さの目安を見ていきます。
・W1~W2
・W3~A1
・B2~D3
・B3~C4
各項目について詳しく説明します。
W1~W2
W1~W2は、白系というよりかはほぼ真っ白です。
特にW1は、シェードガイドの中でももっとも白い色として知られています。
またこの範囲については、ハッキリ言ってホワイトニングで目指すべき色とは言えません。
なぜなら、外から見たとき不自然なほど白くなってしまうからです。
後述しますが、日本人の歯はどれだけキレイであっても、ある程度黄色みを帯びているものです。
そのため、純白と言っても過言ではないW1~W2を選んでしまうと、ホワイトニングの施術を受けたことが周りにばれてしまいます。
もちろん「可能な限り歯を白くしたい」という方は、こちらの範囲を目指しても問題ありません。
しかし、自然かつキレイな歯を手に入れたいのであれば、もう少し黄色みがかっている色を選ぶようにしましょう。
W3~A1
W3~A1は、白系ではあるものの先ほど解説した範囲よりはかなり自然な色合いです。
そのため、ホワイトニングを受ける方は、こちらの範囲を目標にすることをおすすめします。
またこの範囲は、自然な色合いとはいえ、初対面の方に「歯が白い」と思われる程度の白さは持っています。
ちなみに、なるべく周りにばれずにホワイトニングをしたい方でも、これくらいまで白くなると気付かれる可能性が高いです。
それでも色合いが自然であるため、違和感を与える可能性は低いです。
B2~D3
B2~D3は、先ほどの範囲よりは黄色みがさらに強くなっています。
最初からこちらの範囲を目指すことはほとんどありませんが、患者さんの歯の状態などによっては、この範囲に収まることも考えられます。
またA2やC1などはかなり白い色であるため、黄ばんでいる歯の場合はこの色にすることで審美性が大幅にアップします。
B3~C4
B3~C4については、最初から目指すことはない色といって良いでしょう。
なぜなら、この範囲には日本人の平均的な歯の色が含まれるからです。
日本人の歯の色の平均は、こちらの範囲のB3.5とされています。
もちろん、生活習慣などにより、平均より歯が黄ばんでしまった方はいます。
しかし、こちらの範囲を最初から目指しても、仕上がり時にはあまり実感を得られないでしょう。
シェードガイドを見るときの注意点
歯科クリニックでシェードガイドを見るときは、必ず自然光を利用しなければいけません。
院内のライトなどで見ると、そこに設置されているライトの色により、かなり見え方が変わってきます。
例えば白熱灯を使用している歯科クリニックの場合、全体的にシェードガイドの歯の色が白く見えてしまいます。
まとめ
歯科クリニックでホワイトニングを受けるとき、一切シェードガイドを使用しないということはありません。
そのため、当然歯科医師から細かい説明はされますが、事前に患者さんはある程度見方を理解しておくことで、スムーズに治療が進みやすくなります。
またシェードガイドを見て行うべきなのは、自然な範囲内の白さを目指すことです。
歯科医師のアドバイスをもらいながら、目標を設定しましょう。