妊娠している方は、歯科クリニックにおけるさまざまな施術で制限が出ることがあります。
また歯を削るなどの施術を行わないホワイトニングでも、妊娠中は受けるのを控えるべきとされています。
今回は、妊娠中にホワイトニングを受けることのデメリットについて解説します。
妊娠中にホワイトニングを受けるデメリット5選
妊娠中のホワイトニングを避けるべき理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・母体や胎児に影響を及ぼす可能性がある
・歯肉炎のリスクが高まる
・知覚過敏が起こりやすくなる
・悪阻の影響を受ける
・施術の負担がある
各デメリットについて詳しく説明します。
母体や胎児に影響を及ぼす可能性がある
妊娠中のホワイトニングは、母体や胎児に影響を及ぼす可能性があるため、原則控えるべきです。
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングで使用する過酸化水素、過酸化尿素といった薬剤は、母体や胎児にどのような影響を与えるのかが不明です。
つまり、安全性が確立されていないということです。
また薬剤が口腔内の粘膜から吸収されたり、誤って飲み込んでしまったりする可能性があり、その影響も懸念されます。
アメリカの歯科医師会でも、十分なデータがないことから、妊娠中および授乳中のホワイトニングは避けるよう推奨されています。
歯肉炎のリスクが高まる
妊娠中にホワイトニングを受けると、歯肉炎のリスクが高まります。
歯肉炎は、簡単にいうと軽度の歯周病です。
歯茎が赤く腫れるなどの症状が見られ、場合によっては出血しやすくなることもあります。
また妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって歯茎が敏感になり、歯肉炎のリスクを高まります。
さらにこのような状態でホワイトニングを受けると、薬剤が炎症を悪化させる可能性があります。
知覚過敏が起こりやすくなる
知覚過敏が起こりやすくなることも、妊娠中のホワイトニングを避けるべき理由の一つです。
妊娠中は歯茎だけでなく、歯も普段より敏感になりやすいとされています。
そのため、ホワイトニングの薬剤によって知覚過敏が強まることがあります。
知覚過敏が起こると、熱いものや冷たいものを口にしたときにズキッとした痛みが生じるため、満足に食事が摂れなくなる可能性があります。
さらに、ブラッシングなど口内にある程度の刺激を与える行動の際も、痛みが出ることが考えられます。
悪阻の影響を受ける
妊娠中における身体の大きな変化としては、悪阻(つわり)が挙げられます。
悪阻は、妊娠初期に多くの妊婦さんが経験する、吐き気や嘔吐などの不快な症状の総称です。
個人差はありますが、通常は妊娠12~16週頃までには自然に落ち着くことが多いとされています。
また悪阻がある状態でホワイトニングを受けてしまうと、薬剤のニオイが刺激になったり、気分が悪くなったりすることがあります。
施術の負担がある
ホワイトニングは歯を削るなどの行為を伴いませんが、少なからず施術の負担があります。
またこの負担は、妊娠している方にとっては非常に大きいものです。
妊娠中は、お腹が張ってくることによって普段のように自由に動けません。
そのため、ホワイトニングの際に長時間同じ姿勢で座るのが困難になります。
また普段とは異なる体調の変化がある中で、ホワイトニングの施術を受けることは大きなストレスにつながりかねません。
妊娠している方はいつからホワイトニングを受けられる?
ホワイトニングは、基本的に妊娠が判明した時点から出産後、授乳を終えるまでは控えるべきだと言えます。
これくらいまで落ち着かなければ、母体や胎児への影響が出る可能性がまだ捨てきれません。
また授乳を終えた後も、しばらく体調が良くない状態が続くこともあります。
このようなケースでは、体調が安定した後、歯科医師に相談してから判断するのが安全です。
妊娠中でもできるホワイトニングの代替案
どうしても妊娠中に歯を白くしたいという方は、ホワイトニング以外の治療で対応することも検討すべきです。
具体的には歯科クリニックでのクリーニング、ホワイトニング歯磨き粉の使用がおすすめです。
クリーニングは、歯の表面に付着した着色汚れやプラークについて、歯科医師や歯科衛生士にキレイにしてもらう施術です。
薬剤を一切使用しないため、妊娠中でも比較的安全に行えます。
またホワイトニング歯磨き粉も、歯の表面の着色を落とす効果が期待できます。
自宅でのブラッシングで活用できる方法であるため、妊娠中でも負担はほとんどかかりません。
ちなみにホワイトニング歯磨き粉を選ぶ際は、薬剤が含まれない天然由来成分の製品を選ぶのが良いでしょう。
まとめ
ホワイトニングは歯をキレイにしたい方であれば、誰もが一度は受けることを考えるでしょう。
また妊娠中に歯をキレイにしたくなることも当然あるかと思いますが、妊娠中はリスクが高いため施術を控えるべきです。
出産や授乳が終わってからでも、決して遅くはありませんし、クリーニングなど他の方法で歯を白くすることも可能です。
