ホームホワイトニングは、自宅でマウスピースに薬剤を塗布し、歯を白くする施術です。
歯科クリニックに通う回数が少ないことから、仕事で忙しい方などにとても人気があります。
しかし、ホームホワイトニングのマウスピースは稀に患者の口内に合わなくなることがあります。
今回はこちらの原因とデメリットを解説します。
ホームホワイトニングのマウスピースが合わなくなる原因
以下の原因により、歯科クリニックで作製したホームホワイトニングのマウスピースが合わなくなることがあります。
・変形
・経年劣化
・歯の状態の変化
各項目について詳しく説明します。
変形
ホームホワイトニングのマウスピースは、使用方法が正しくないと変形してしまうおそれがあります。
例えばお湯を使ったり、強く噛み締めたりした場合です。
ホワイトニングのマウスピースは熱に弱いため、洗浄するときに熱湯を使用してはいけません。
お湯の効果によってやわらかくなり、元々歯に合っていたものが合わなくなる可能性があります。
直射日光の当たる場所で保管した場合も、変形のリスクが高まります。
またホームホワイトニングを行うとき、必要以上にマウスピースを噛みしめてしまう方がいす。
特に「早く漂白効果を得たい」と考える方は、噛み締める力が強くなりがちですが、強く噛んでも効果がアップすることはありません。
むしろマウスピースの適合性が下がり、効果は半減します。
経年劣化
経年劣化も、ホームホワイトニングのマウスピースが合わなくなる原因の一つです。
ホームホワイトニングは、ある程度時間がかかる施術です。
一般的には、1ヶ月程度施術を継続しなければいけません。
またホームホワイトニングで使用するマウスピースは、使用を続けるうちに素材が劣化し、変形しやすくなることがあります。
基本的に1年前後で寿命が訪れますが、それでも歯科クリニックに通わず使い続けていると、さらに変形のリスクは高まります。
ちなみに、ホワイトニング後のマウスピースの洗浄が不十分だと、汚れやカビが発生することもあります。
これらの汚れについても、マウスピースを劣化させる原因になります。
歯の状態の変化
マウスピースそのものに問題がなかったとしても、患者さんの歯の状態が変化すると、マウスピースが合わなくなる可能性は高まります。
前述した通り、ホームホワイトニングは1ヶ月前後継続しなければいけない施術です。
そのため、施術期間中に歯並びが変化したり、虫歯を発症したりする可能性は十分にあります。
またマウスピースの作製当初と歯並びが変わってしまうと、当然マウスピースは合わなくなります。
ホームホワイトニングのマウスピースが合わないことのデメリット
合わないマウスピースでホームホワイトニングを続けることにより、以下のようなデメリットにつながります。
・ホワイトニング効果の低下
・歯や歯茎へのダメージ
・吐き気
・歯並びの悪化
各デメリットについて詳しく説明します。
ホワイトニング効果の低下
合わないマウスピースでのホームホワイトニングを継続すると、ホワイトニング効果は低下します。
こちらは色ムラができやすくなることを指しています。
患者さんの口内にフィットしたマウスピースであれば、ホワイトニングの薬剤が均一に広がるため、満遍なく効果を得やすくなります。
一方マウスピースが合っていない場合、一部に薬剤が多く塗布され、一部の薬剤は少ないといった現象が起こり得ます。
歯や歯茎へのダメージ
歯や歯茎にダメージが及ぶことも、合わないマウスピースでホームホワイトニングを行うことのデメリットです。
マウスピースが合わない場合、噛み締めたときに内部に塗布した薬剤が漏れ出てしまうことがあります。
こちらが歯や歯茎に付着することにより、炎症を起こすことが考えられます。
またマウスピースから漏れ出た薬剤が胃に流れ込むことにより、胃が荒れたり消化不良を起こしたりする可能性もあります。
吐き気
マウスピースの装着感が悪い場合、嘔吐反射が起こりやすくなります。
嘔吐反射は、口腔内や咽頭部にある感覚受容器が刺激を受けることにより、脳の嘔吐中枢がそれを危険と判断し、反射的に筋肉を収縮させることで起こります。
また嘔吐反射が出続けてしまうと、ホームホワイトニングどころかマウスピースを装着するのすら困難になります。
歯並びの悪化
合わないマウスピースを使用し続けていると、歯並びが悪くなる可能性もあります。
適合性の悪いマウスピースは、言ってみれば精度の低い矯正装置のようなものです。
つまり歯に合っていない状態で固定されるため、本来のキレイな歯並びを乱してしまう可能性があるということです。
まとめ
ホームホワイトニングは非常に患者さんにとって便利な施術ですが、簡単に口内を白くできるとは考えないようにしましょう。
マウスピースは基本的に毎日装着しなければいけませんし、使用後のケアも丁寧に行う必要があります。
またマウスピースに劣化が見られる場合は、早急に歯科クリニックに通い、交換や調整を受けることも求められます。