ホワイトニングを受ける際は、基本的に歯科クリニックが取り扱っているオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングのいずれかを選択することになります。
では、ホワイトニングを受けたことにより、歯茎から出血するということはあり得るのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に解説します。
基本的に出血することはない
歯科クリニックで提供されるホワイトニングを受けることにより、歯茎から出血するということは基本的にはありません。
オフィスホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士が施術を行うものであり、患者さんの安全面は十分に考慮されています。
またホームホワイトニングについては、施術を行うのは患者さん自身ですが、だからといって危険な薬剤や装置を使用するわけではありません。
ただし出血が起こらないのは、あくまで正しい方法でホワイトニングを受けた場合、もしくは患者さんの口内に問題がない場合です。
ホワイトニングで出血する原因3選
ホワイトニングによって歯茎からの出血が起こる原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・薬剤の付着
・マウスピースとの摩擦
・歯周病
各項目について詳しく説明します。
薬剤の付着
ホワイトニングでは、薬剤が歯茎に付着することにより、化学反応によって炎症が起こることがあります。
こちらは出血や痛みの原因になり得ます。
ホームホワイトニングの場合、マウスピースに塗布する薬剤の量については、ある程度決まっています。
しかしすぐにホワイトニングの効果を実感したいと考え、大量の薬剤を塗布してしまうと、それがマウスピースからはみ出してしまうことがあります。
その結果、歯茎に薬剤が触れている時間が長くなり、炎症や出血を引き起こすことが考えられます。
またオフィスホワイトニングについては、ホームホワイトニングよりも濃度の高い薬剤を使用します。
施術時には歯茎に直接触れないよう、保護剤を塗布しますが、歯科医師や歯科衛生士によるミスがあると歯茎についてしまうことがあります。
こちらも、出血を引き起こす原因です。
もちろん、ホワイトニングの実績が豊富な歯科クリニックでオフィスホワイトニングを受ければ、このようなリスクは軽減されます。
それでも、人が行う施術である以上、ミスのリスクを完全に排除することはできません。
マウスピースとの摩擦
ホームホワイトニングでは、マウスピースの摩擦が原因で歯茎から出血することが考えられます。
ホームホワイトニングで使用するマウスピースは、当然オーダーメイドです。
通常は患者さんの歯並びや歯の形にピッタリ合うため、当然痛みなどは感じず、薬剤も均一に付着します。
しかし、ホームホワイトニングを開始した後に歯が抜けた場合などは、マウスピースを作製した当初と噛み合わせが変わってしまうことがあります。
つまり、マウスピースのフィット感が失われてしまうということです。
このようなマウスピースを使用し続けると、歯茎と接触して擦れることでダメージを与え、出血を引き起こすことがあります。
ホームホワイトニングのマウスピースはそこまで硬いものではありませんが、歯茎は敏感なため、ダメージが蓄積すると出血のリスクは高まります。
歯周病
患者さんが歯周病を患っている場合、ホワイトニングによって出血する可能性は高くなります。
歯周病や歯肉炎の状態でホワイトニングを行うと、炎症のある歯茎が薬剤やマウスピースの刺激を敏感に感じ取るようになります。
その結果、出血が見られることがあります。
また歯周病の方が歯茎から出血すると、ホワイトニングの薬剤と血液が混ざり、本来の漂白効果を発揮できないことも考えられます。
もちろん、歯科クリニックでホワイトニングを行う場合、事前に患者さんの口内に問題がないかどうかは検査されます。
しかし、ホワイトニング期間中に歯周病が悪化することもあるため、その場合はなかなか出血を避けるのが難しくなります。
ホワイトニング時に出血があった場合の対処法
オフィスホワイトニングの最中に出血が見られる場合、歯科医師や歯科衛生士が施術を中止してくれるため、患者さんは焦らずに指示に従いましょう。
またホームホワイトニングの場合はただちにマウスピースを外し、歯茎についた薬剤をティッシュやガーゼなどで拭き取ります。
薬剤を拭き取った後は、優しくうがいをして口内を洗い流します。
炎症を抑えて口内を清潔にするため、ぬるま湯に塩を少し入れた塩水でうがいをするのも効果的です。
ちなみに腫れや痛みが気になる場合は、清潔な布で包んだ保冷剤や氷を口の外側から当てて冷やします。
まとめ
ホワイトニングによる出血のリスクは、決して高いわけではありません。
しかし、急に出血してしまった場合、患者さんはパニックに陥るでしょう。
特にホームホワイトニングの場合、すぐ歯科医師に頼ることもできないため、あらかじめ対処法を知っておくべきです。
また自宅での処置は応急処置として行い、本格的な改善は必ず歯科クリニックに通院して行いましょう。