入れ歯関連グッズの一つに、入れ歯安定剤が挙げられます。
こちらは名前の通り入れ歯を口内で安定させるためのもので、さまざまな種類のものが販売されています。
しかし、入れ歯安定剤の使い方を間違えるとトラブルにつながります。
今回はこちらの内容とあわせて、安定剤を使用することのリスクについても解説します。
入れ歯安定剤の間違った使い方4選
入れ歯安定剤を使用する場合、以下のようなことは行わないようにしましょう。
・大量につける
・長期間使用する
・不適合な入れ歯に使用する
・よく洗わない
各項目について詳しく説明します。
大量につける
入れ歯安定剤の使用量については商品によって異なりますが、目安が記載されていることが多いです。
こちらの目安以上に使用することは控えましょう。
入れ歯に安定剤を大量につけると、入れ歯と歯茎の間で異物感が生じたり、余分な安定剤が口の中に残ったりすることがあります。
例えばもっとも一般的なクリームタイプの安定剤は、1回につき数cm使用します。
またパウダータイプの場合、入れ歯全体に軽く振りかけ、余分な粉を落としてから装着するのがポイントです。
さらにシートタイプの場合、シートのサイズを入れ歯に合わせて調整し、隙間ができないようにしっかり密着させます。
ちなみに、最初は安定剤の使用感に慣れていないため、パッケージに記載された目安の量よりも少ない量を使用するのがベストです。
長期間使用する
入れ歯安定剤は、あくまで入れ歯の緩みなどが見られるとき、短期間に限定して使用するものです。
そのため、長期間使用することは避けましょう。
長期間使用すると、顎の骨が痩せてしまったり、噛み合わせが悪くなったりすることが考えられます。
また口腔内の疾患を引き起こすこともあるため、注意してください。
さらに安定剤の使用期間が長い場合、安定剤に依存してしまう可能性もあります。
入れ歯は本来単体で成立するものですが、安定剤に依存している方は安定剤がなければ入れ歯を正しく装着できません。
もし装着できたとしても、安定剤がある場合の使用感と異なるため、強い異物感や不快感を覚えてしまうことがあります。
不適合な入れ歯に使用する
入れ歯安定剤は、少し緩いと感じる入れ歯に使用するものですが、明らかに不適合なものには使用してはいけません。
例えば、経年劣化によって口内の粘膜に当たってしまっている入れ歯などは、従来のフィット感が失われています。
このような入れ歯に対し安定剤を使用し、無理やりフィットさせたとしても、使用感は良くならないことが予想されます。
むしろ口内に当たっている状態で固定されてしまい、より粘膜へのダメージが大きくなることが考えられます。
さらに不適合な入れ歯に安定剤を使用すると、顎の骨に過度な力が加わり、骨が痩せたり歯茎に炎症を起こしたりすることもあります。
よく洗わない
入れ歯安定剤を使用した後は、しっかりと入れ歯を洗浄しなければいけません。
使用後の入れ歯や口内の洗浄が不十分である場合、安定剤の残留物が残り、細菌の温床となってしまう可能性があります。
このように、細菌の温床となった入れ歯を使用し続けていると、当然口内環境は悪化します。
また入れ歯安定剤を洗浄するときは、先にガーゼなどで拭き取ることが推奨されています。
いきなり流水で落とそうとすると、なかなか残留物が取れずに入れ歯の状態が悪化しやすくなります。
さらに安定剤を洗い流し、乾燥させた状態の入れ歯は、再び汚れが残っていないかチェックした上で装着すべきです。
入れ歯安定剤を使用することのリスク
入れ歯安定剤には、使用すること自体にもいくつかリスクがあります。
具体的には、アレルギー反応や誤飲といったリスクです。
入れ歯安定剤には、合成樹脂や化学物質が含まれていることがあり、アレルギー反応を引き起こすことが考えられます。
具体的な症状としては、口内の腫れや赤み、かゆみだけでなく、口内以外の皮膚に同じような症状が出ることもあります。
稀に味覚症状や肩こり、頭痛などが生じることもあるため、注意が必要です。
また入れ歯安定剤は口内で使用するものであるため、誤飲のリスクもなかなか避けられません。
口の中で溶けたり、入れ歯からはみ出したりした部分を少量飲んでしまう程度であれば、ほぼ問題はありません。
しかし、大量に飲み込んでしまった場合は喉に詰まったり、腹痛や吐き気などの症状が現れたりすることがあります。
もし大量に飲み込んでしまったのであれば、水や牛乳などを飲んでしばらく様子を見ましょう。
体調の悪化が見られる場合、無理に吐き出そうとせず、すぐに医療機関を受診してください。
まとめ
冒頭でも触れたように、入れ歯安定剤は入れ歯を口内で安定させるために使用します。
しかしあくまでサポートグッズであるため、大量に使用したり、長期間使用したりするのは控えましょう。
また安定剤を使用した後の入れ歯はしっかり洗い流し、清潔な状態を保ちます。
さらに安定剤の使用により、身体の異変が見られるようになった場合、すぐに使用を中止しなければいけません。