虫歯や歯周病、外傷や先天的な理由など、さまざまな原因で前歯を失ってしまうことがあります。
また、前歯は数ある歯の中でも重要な役割を持っていて、特に食事を摂るときに使用できないと非常に不便です。
今回は、前歯がないと食べるのが困難になるものを中心に解説します。
前歯がないと食べるのが難しいもの6選
以下の食べ物については、前歯がない状態で食べるのがとても難しいです。
・硬いお肉
・フランスパン
・リンゴ
・トウモロコシ
・イカの丸焼き
・海苔巻き
各項目について詳しく説明します。
硬いお肉
肉質が硬いお肉は、前歯がなければ食べるのが難しいです。
前歯には、ものを噛み切るという重要な役割があります。
食事を摂るときの流れは、前歯で噛み切り、奥歯ですり潰して飲み込むというのが正しいです。
また前歯がない方は、他の歯を使って噛み切れる可能性もありますが、ステーキやフライドチキンなどの肉はなかなか他の歯では噛み切れません。
特に困難なのは、骨付き肉です。
骨付き肉にかぶりつく場合、一度骨から身を取り外す必要があります。
このような、かぶりつくという食べ方は、前歯がなければできません。
フランスパン
フランスパンも、前歯がなければ食べるのが難しいものの一つです。
特に、フランスパン1本をそのままの状態で食べる場合、前歯がなければ簡単には噛み切れません。
またフランスパンは、生の状態でも焼いた状態でも硬さがあります。
生の状態だと弾力が非常に強いですし、焼けばある程度弾力は減るものの、今度は表面の硬さが増します。
そのため、前歯を失ってしまった方は、基本的に一口サイズにカットされた状態のフランスパンしか食べることができません。
リンゴ
リンゴについては、皮を剥いたり小さく切ったりすれば食べることができますが、丸かじりの場合は前歯がないと食べられません。
リンゴは球体であり、そのまま食べる場合はまず球体のいずれかの部分から削り取る必要があります。
このような削り取る作業は、奥歯などでは行えません。
またリンゴの皮は身よりもさらに硬いため、丸かじりをするには前歯があることが必須です。
トウモロコシ
バーベキューなどを行う際は、トウモロコシを焼いて食べることもあるかと思いますが、こちらも前歯がなければ食べるのが困難です。
トウモロコシの身自体は、そこまで硬いものではありません。
しかしトウモロコシは円柱のような形をしているため、前歯を使わずそのまま奥歯で噛むことが難しいです。
またバーベキューなどで焼かれるトウモロコシは、丸ごとではなくいくつかにカットされている場合が多いです。
ただし、カットしたところで食べ方は変わらないため、前歯がない場合は食べにくさを感じます。
イカの丸焼き
イカの丸焼きも、前歯がない状態で食べるのが難しい料理の一つです。
イカは非常に弾力のある食べ物であり、強い力で噛み切らなければいけません。
またイカは前歯がない場合だけでなく、噛み合わせが良くない場合も食べにくくなります。
例えば上下の歯がうまく噛み合っておらず、隙間ができている場合、イカの丸焼きを噛んでも間からスルリと抜けてしまいます。
海苔巻き
前歯がないと食べにくい意外な食べ物としては、海苔巻きが挙げられます。
サイズが小さなかっぱ巻きやかんぴょう巻などであれば、一口で食べられるため、前歯がなくてもそこまで不便さは感じません。
一方太巻きや軍艦巻きなどは、サイズによっては一口で食べられないことがあります。
このようなケースでは、前歯で一度噛み切ってから口内に入れますが、海苔は噛み切りにくい食べ物として有名です。
また海苔巻きを前歯で噛み切ったとき、うまく噛み切れないと形が崩れ、シャリや具材がグチャグチャになってしまうおそれもあります。
前歯がないことによるその他のデメリット
前歯がない場合、うまく食べられないものが出てくるだけでなく、審美面や発音にも影響を与えます。
前歯は顔面の中心に位置するため、欠損していると人前で話すときや笑うときに気になってしまい、自信を失うことがあります。
また前歯がないことで顔の輪郭が変化し、実年齢よりも老けて見られることが考えられます。
さらに、前歯がない場合は発音のときに風が抜けてしまい、サ行やタ行、ハ行やマ行などの発音がしにくくなります。
ちなみに、前歯がないと必然的に咀嚼の回数は減りますが、こちらは唾液の分泌量を減少させ、虫歯のリスクを高めることにつながります。
もちろん、食べ物をしっかり噛まずに飲み込むことで、胃腸に負担がかかり、消化不良も起こしやすくなります。
まとめ
前歯がないことで食事に制限が出ると、食事の時間が楽しくなくなります。
また摂取できる栄養素も限定されやすく、さまざまな疾患のリスクが高まることにもつながります。
そのため、理由はどうであれ前歯を失ってしまったのであれば、早急にカバーするための治療を受けましょう。
インプラントなどで前歯を失った部分をカバーできれば、審美面にも機能面にもメリットが生まれます。