親知らずは奥歯のさらに奥に生える歯であり、完全にまっすぐ生えていない限り、少なからず口内に影響を与えるものです。
また場合によっては、親知らずの存在がフェイスラインに影響を与えることも考えられます。
今回は、親知らずとフェイスラインの関係性について解説します。
フェイスラインとは?
そもそもフェイスラインとは顔の輪郭のことであり、主に耳の下あたりから顎にかけてのラインを指します。
正面から見た場合、髪の生え際からこめかみ、頬、エラ、顎の先端までを囲むラインを指すこともあります。
フェイスラインが引き締まっていると顔全体がシャープに見え、小顔効果や若々しい印象を与えやすくなります。
親知らずがフェイスラインに影響を与える原因
親知らずが生えている方は、正しいフェイスラインを形成できない可能性があります。
その原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・炎症やむくみ
・噛み合わせの変化
各項目について詳しく説明します。
炎症やむくみ
親知らずの生え方が悪いと、智歯周囲炎という症状につながります。
こちらはフェイスラインに悪影響を及ぼす原因の一つです。
親知らずが斜めに生えていたり、一部だけ生えていたりすると、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなります。
また細菌が繁殖して炎症を起こすと、歯茎だけでなくエラや顔の側面にまで腫れやむくみが広がり、フェイスラインがハッキリしなくなることがあります。
さらに、親知らずの炎症が広がると、顎や首のリンパ節が腫れることも考えられます。
フェイスラインは、首の近くまでの部分を含むこともあるため、こちらもフェイスラインへの悪影響だと言えます。
噛み合わせの変化
親知らずの存在によって噛み合わせが変化することも、フェイスラインに影響を与える原因です。
親知らずの生え方によって噛み合わせが変わると、顔の筋肉の付き方に左右差が出ることがあります。
そのため、正面から見たときにフェイスラインが歪んだように見えることがあります。
また親知らずの生え方が正常ではない場合、咀嚼時などに痛みが生じることも考えられます。
このとき、多くの方は痛い方の歯を避けて咀嚼するため、片噛み癖がついてしまいます。
結果的に、左右の筋肉の付き方が変わってしまい、フェイスラインも正常ではなくなります。
ちなみに、親知らずが生えている方は、歯ぎしりが起こりやすくなることもあります。
特に生え方や位置が不適切な場合、ストレスなどで無意識の歯ぎしりや食いしばりが増えやすく、こちらは顔の筋肉を過剰に発達させることにつながります。
顔の筋肉が発達しすぎると、エラが張って見えてしまい、以前と顔貌が変わることがあります。
親知らずの抜歯に伴うフェイスラインの変化
親知らずに問題がある方は、早急に歯科クリニックに通い、抜歯をしなければいけないことがあります。
しかし、抜歯をすることにより、フェイスラインが変わってしまうこともあります。
こちらの主な原因は以下の通りです。
・抜歯直後の腫れ
・内出血
・炎症やむくみの改善
・骨格の変化
各項目について詳しく説明します。
抜歯直後の腫れ
親知らずを抜いた直後は、一時的に腫れが出ることがあります。
特に下の親知らずを抜歯する際は、切開や骨を削る処置を伴うため、顔が大きく腫れるのが一般的です。
腫れのピークは抜歯後2~3日で、この時期は以前とかなりフェイスラインが変わってしまいます。
一目見ただけで、明らかに腫れていることがわかるほどです。
ただし、こちらの腫れは通常抜歯後1~2週間ほど経過すれば治まります。
内出血
抜歯後の内出血が原因で、フェイスラインに影響が出ることもあります。
こちらは正確にいうと、フェイスラインというよりは顔周りの色の変化です。
親知らずを抜いた後は、頬を中心に黄色いアザのような内出血が出ることがあります。
そのため、抜歯前と見た目の印象は変わってしまいますが、これも時間の経過とともに少しずつ薄れていきます。
炎症やむくみの改善
親知らずの抜歯によるフェイスラインの変化には、良い変化もあります。
抜歯により、長引いていた炎症やむくみが解消されると、顔がスッキリしてフェイスラインがシャープになったと感じる方がいます。
骨格の変化
骨格の変化も、親知らずの抜歯後に見られる良い顔貌の変化です。
親知らずは骨の中に埋もれていることが多く、抜歯しても骨格が大きく変化するわけではありません。
ただし、上顎の親知らずが頬骨のあたりに生えていた場合、抜歯によって頬骨の出っ張りが目立たなくなることが考えられます。
まとめ
親知らずが生えている方は、特に自覚症状がなかったとしても、一度歯科クリニックで検査してもらうことをおすすめします。
もし生え方や生えている位置に問題がある場合、今後歯茎の炎症やフェイスラインへの影響などさまざまな問題が生じる可能性もあります。
もちろん生え方に問題がない場合は、そのまま抜歯をせず様子を見ることもあるため、怖がらずにまずは相談することが大切です。