親知らずが生えていることについて、多少は気になっているものの、特に何もせず放置しているという方は多いかと思います。
しかし、実際は親知らずの知識を深めた上で、適切な行動を取らなければいけません。
今回は、親知らずに関するよくある質問についてお答えしていきます。
そもそも親知らずとは?
親知らずは、永久歯の中で最も遅く生えてくる歯で、前から数えて8番目の歯(第三大臼歯)です。
一般的に10代後半から20代前半にかけて生えてきますが、人によっては1本も生えてこない場合もあります。
親知らずは抜かなければいけない?
親知らず=抜歯というイメージが強いですが、必ずしも抜く必要はありません。
キレイに真っ直ぐ生えていて、きちんと噛み合っており、なおかつ虫歯や歯周病のリスクが低い場合は抜歯せずに残すこともあります。
親知らずを抜いた方が良いケースは?
親知らずが斜めや横向きに生えていて、隣の歯や歯並びに悪影響を与えている場合や、ブラッシングが難しく虫歯や歯周病になっている場合は抜歯すべきです。
また頻繁に歯茎が腫れたり痛んだりする場合は智歯周囲炎を発症しているため、抜歯によって改善させるべきです。
さらに噛み合わせが悪く、顎関節症などの原因になっている場合も、抜歯の対象になることが多いです。
親知らずの抜歯は痛い?
抜歯の際は局所麻酔を使用するため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が切れた後に痛みや腫れが出ることがありますが、痛み止めを服用することで対処できます。
親知らずの抜歯はどれくらい時間がかかる?
抜歯にかかる時間は、生え方によって大きく異なります。
真っ直ぐ生えている場合は数分で終わることもありますが、骨に埋もれていたり複雑な生え方をしたりしている場合は、30分〜1時間程度かかることもあります。
抜歯後の腫れはどれくらい続く?
腫れの程度には個人差がありますが、一般的に抜歯後2〜3日をピークに腫れ、1週間程度で治まることが多いです。
完全に腫れが引くまでにはさらに時間がかかる場合もあります。
抜歯後はすぐに食事できる?
親知らずの抜歯後は、麻酔が切れてから、抜歯した箇所とは反対側で食事をすることをおすすめします。
麻酔が効いている間は、唇や頬を噛んでしまう可能性があるため注意が必要です。
また、辛いものなどの刺激物や硬い食べ物は避けてください。
抜歯後は仕事や学校を休むべき?
抜歯後の腫れや痛みの程度によります。
翌日は安静にすることをおすすめしますが、デスクワークなどであれば問題ない場合も多いです。
心配な場合は、歯科医師に相談してください。
親知らずの抜歯後の注意点は?
親知らずの抜歯後は、激しい運動や飲酒、喫煙や長時間の入浴は避けてください。
血行が良くなると出血しやすくなります。
また抜歯した穴(抜歯窩)に食べ物が詰まっても、指や舌で触ったり、強くうがいをしたりしないようにしてください。
こちらはドライソケットの原因となります。
抜歯後に起こるドライソケットとは?
親知らずの抜歯後に起こることがあるドライソケットは、抜歯した穴にできる血餅(かさぶたのようなもの)が剥がれて骨が露出してしまう状態です。
こちらを発症すると激しい痛みを伴い、治癒が遅れます。
親知らずを抜くと小顔になる?
親知らずは顎の骨の中に生えているため、抜歯によって骨格自体が変わることはありません。
しかし、抜歯後の腫れが引いた際に一時的にスッキリしたように見えることや、埋伏歯の抜歯によって若干頬のラインが変わる可能性はあります。
ただし、小顔効果を目的とした抜歯は推奨されません。
親知らずを抜くと歯並びが悪くなる?
親知らずを抜くと歯並びが悪くなるという説がありますが、こちらはむしろ逆です。
斜めに生えた親知らずを放置していると、前の歯を押して歯並びを悪くすることが考えられます。
適切な時期に抜歯することで、歯並びの悪化を防げる場合があります。
妊娠中に親知らずの治療はできる?
妊娠初期や後期は、親知らずの治療を避けることが望ましいです。
安定期であれば、応急処置や簡単な抜歯は可能な場合もありますが、基本的には出産後に治療を行うことが推奨されます。
親知らずの抜歯にかかる費用は?
親知らずの抜歯にかかる費用は保険適用となりますが、生え方や処置内容によって異なります。
簡単な抜歯であれば数千円程度ですが、骨を削ったり縫合が必要な難しかったりする抜歯では、1万円近くかかる場合もあります。
歯科クリニックで治療できない場合はどうする?
親知らずが深く埋まっている、神経に近いといった症状の場合、一般の歯科クリニックでは治療が困難な可能性もあります。
このようなケースでは、口腔外科を標榜している病院や大学病院を紹介されることがあります。
まとめ
親知らずに対し、あまり詳しい知識を持っていない方は残念ながら多いです。
それが、つい放置しがちになる理由でもあります。
親知らずの中には、もちろん問題のないものもありますが、すぐにでも抜歯しなければいけないものもあります。
そのため、この機会に知識をつけ、治療が必要であればすぐ歯科クリニックに相談してください。
