電動歯ブラシは、電気の力でブラシ部分を高速振動・高速回転させ、効率良くプラークを除去する歯ブラシです。
一般的には大人が使用するイメージが強いですが、子どもは使用できないのかというと、決してそういうわけではありません。
今回は、子どもが電動歯ブラシを使用するメリット・デメリットを解説します。
子どもが電動歯ブラシを使用するメリット
子どもが電動歯ブラシで毎日のブラッシングを行うメリットは、主に以下の通りです。
・効率的にブラッシングができる
・ブラッシングの習慣の定着
・ブラッシングの楽しみが増える
各メリットについて詳しく説明します。
効率的にブラッシングができる
子どもが電動歯ブラシを使用すれば、手動と比べて効率的にブラッシングができます。
冒頭でも触れたように、電動歯ブラシは電気の力で振動・回転するブラシを使用するものです。
そのため、手磨きでは届きにくい場所のプラークも効果的に除去できます。
子どもは大人よりも力が弱い上に、ブラッシングの集中力も続きにくいです。
そして何より、ブラッシングに嫌悪感を抱くケースが多いです。
電動歯ブラシで効率的にブラッシングを進めれば、このような子どもの欠点をほぼすべて補うことが可能です。
ブラッシングの習慣の定着
子どもが電動歯ブラシでブラッシングをすることにより、ブラッシング習慣が定着しやすくなります。
大人はブラッシングを習慣として当たり前のように行いますが、子どもにとってはまだ“やらされている”という感覚が強いものです。
特に手動での歯磨きの場合、面倒臭さを感じてモチベーションが上がらない子も多いです。
一方電動歯ブラシの場合、そこまで何度も手を動かしたり、力を入れたりしなくてもブラッシングができます。
そのため、慣れさえすれば子どもはブラッシングを習慣化しやすくなると言えます。
ブラッシングの楽しみが増える
子ども用の電動歯ブラシは、前述の通りプラークを効率的に除去できる上に、楽しくブラッシングを習慣づけるためのさまざまな工夫がされています。
例えば、キャラクターのデザインが施されたものは子どもの興味を引きますし、音楽が流れたり光ったりする機能は、ブラッシングを遊びように感じさせることができます。
また子ども用電動歯ブラシの中には、スマホのアプリと連動しているものもあります。
アプリ連動タイプには、スマホの画面で好きなキャラクターが一緒にブラッシングをしてくれるなど、モチベーションアップが期待できるものが多くあります。
“ブラッシング=楽なもの”だけでなく、“ブラッシング=楽しいもの”と子どもに感じてもらうことで、よりスムーズなブラッシングの習慣化を促します。
子どもが電動歯ブラシを使用するデメリット
一方、子どもが電動歯ブラシを使用するデメリットとしては、以下のことが挙げられます。
・歯や歯茎を傷つけるリスクがある
・手磨きの技術習得を妨げる
・仕上げ磨きは必要
各デメリットについて詳しく説明します。
歯や歯茎を傷つけるリスクがある
子どもが電動歯ブラシを使用する場合、最初のうちは特にしっかり親御さんがそばで見ておく必要があります。
なぜなら、歯や歯茎を傷つけるリスクがあるからです。
電動歯ブラシは、電力による振動や回転により、ブラシを強く押し当てたり、同じ場所を何度も磨いたりしなくても汚れを落とすことができます。
しかしこちらを言い換えると、ブラシを強く押し当てたり同じ場所を何度も磨いたりしてはいけないということになります。
そのため、今まで手動の歯ブラシで磨いていた子どもは、電動歯ブラシに切り替えたときに歯や歯茎を強く磨いてしまい、傷つけるおそれがあります。
手磨きの技術習得を妨げる
電動歯ブラシは非常に便利な代物ですが、子どもが幼い頃から電動歯ブラシを積極的に使用すべきなのかというと、決してそういうわけではありません。
やはり、多少は手動の歯ブラシも使用させておかなければ、手磨きの技術習得の妨げになります。
例えば保育園や学校など、家以外の場所では手動の歯ブラシしか使用できないことも多く、このようなケースでうまく磨けないと非常に困ります。
仕上げ磨きは必要
たとえ子どもが電動歯ブラシを使用し、効率良くプラークを除去できたとしても、子どもの年齢によっては親御さんの仕上げ磨きが必要です。
もちろん、仕上げ磨きは手動の歯ブラシでブラッシングを行った後にも行います。
つまり、結局親御さんが仕上げ磨きをしなければいけないのであれば、その前のブラッシングが手動であろうが電動であろうが、あまり変わらないということです。
まとめ
子どもがブラッシングで電動歯ブラシを使用すること自体は、特に問題ありません。
むしろ、しっかり楽しくブラッシングを継続できるのであれば、積極的に使用すべきだと言えます。
しかし親御さんは手動の歯ブラシを使わせたり、仕上げ磨きを行ったりといった他のアプローチもしなければいけません。
電動歯ブラシにだけ頼っていると、それがなかったときとても困ります。