暑い日も少しずつ少なくなり、季節は秋に入ろうとしています。
また秋と言えば、味覚の秋と呼ばれるほど、さまざまな美味しいものが旬を迎えることで知られています。
今回は、秋の味覚の中でも、ある程度の虫歯予防が期待できる食材をいくつか紹介したいと思います。
虫歯予防効果が期待できる秋の味覚4選
以下の秋の味覚には、虫歯予防効果が期待できます。
・栗
・さつまいも
・サンマ
・リンゴ
各項目について詳しく説明します。
栗
秋の代表格である栗には、歯の健康を支える重要な栄養素が豊富に含まれています。
特に注目したいのが、歯の土台となるカルシウムや、そのカルシウムの吸収を助けて歯の質を強くするマグネシウムなどのミネラル類がバランス良く含まれている点です。
さらに、栗の渋皮部分には強い抗酸化作用を持つポリフェノールが凝縮されています。
ポリフェノールには、虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖を抑え、プラークの形成を抑制する働きがあるため、口の中の環境を清潔に保つ効果が期待できます。
栗を虫歯予防に活かすための最大のポイントは、味付けです。
栗きんとんやマロングラッセ、甘露煮といったお菓子は、大量の砂糖が使われているため逆に虫歯のリスクを高めてしまいます。
虫歯予防を意識するなら、シンプルに茹でた茹で栗や焼き栗、または砂糖を使わない栗ご飯として楽しむのがベストです。
また栗は適度な硬さがあるため、自然と噛む回数が増えます。
よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液のもつ自浄作用や初期虫歯を修復する再石灰化の働きを高めることができます。
じっくりとよく噛んで、栗本来の自然な甘みを味わいましょう。
さつまいも
ほくほくとした甘みが魅力のさつまいもですが、実は食べ方に気を付ければ虫歯予防に役立つ優秀な食材です。
さつまいもには、歯のエナメル質の下にある象牙質の形成に欠かせないビタミンCがリンゴの約7倍も含まれています。
一般的にビタミンCは熱に弱い性質がありますが、さつまいものビタミンCはでんぷん質に守られているため、加熱調理しても壊れにくいという大きな特徴があります。
また豊富に含まれる食物繊維は、噛むときに歯の表面をこする天然の歯ブラシのような役割を果たし、食べカスや軽い汚れを落とす効果があります。
さつまいもを食べる際の注意点は、その粘り気と糖分です。
熱を加えたさつまいもは甘くて美味しいですが、歯の溝や隙間にくっつきやすく、口の中に長く残りやすい性質があります。
そのため、砂糖やバターをたっぷり使ったスイートポテトや大学芋ではなく、シンプルにそのまま焼いた焼き芋や蒸しさつまいもを選ぶのが賢明です。
さらにダラダラと時間をかけて食べると、口の中が常に酸性に傾き、虫歯になりやすくなります。
時間を決めて一気に食べ、食べた後はしっかりとお茶や水で口をゆすぐか、歯磨きをする習慣をつけることで、さつまいもの栄養効果だけを上手に採り入れることができます。
サンマ
秋にもっとも脂が乗るサンマは、歯や骨を内側から強くするために欠かせない栄養素の宝庫です。
サンマなどの青魚には、カルシウムの吸収を劇的に高めるビタミンDが非常に豊富に含まれています。
カルシウムをどれだけ摂取しても、ビタミンDが不足していると体に吸収されず、歯の再石灰化もうまく進みません。
サンマを食べることで、カルシウムとビタミンDを同時に効率良く摂取でき、酸に負けない強い歯を作ることができます。
また、サンマに含まれる良質なタンパク質は、歯茎などの歯周組織を健康に保つためにも重要な役割を担っています。
虫歯予防の効果を最大限に引き出すためには、調理法と食べ方に工夫が必要です。
もっともおすすめなのは、骨までやわらかく煮込んだ甘露煮や圧力鍋調理です。
普段は残してしまう小さな骨や頭の後ろまで丸ごと食べられるように調理することで、摂取できるカルシウムの量が飛躍的にアップします。
定番の塩焼きにする場合は、大根おろしを添えるのがおすすめです。
大根おろしに含まれる酵素や水分が口の中をさっぱりとさせ、細菌の繁殖を抑える手助けをしてくれます。
食べた後は魚の繊維が歯の間に挟まりやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってしっかりケアすることで口内の健康を維持できます。
リンゴ
“医者いらず”とも呼ばれるリンゴは、海外では古くから自然の歯ブラシとして親しまれてきたほど、虫歯予防と親和性の高い果物です。
リンゴを皮ごと生のままかじると、そのシャキシャキとした緻密な繊維質が歯の表面や隙間をこすり洗いし、プラークを落とす効果があります。
またリンゴに含まれるリンゴポリフェノールには、虫歯菌が歯の表面に付着するのを防ぎ、酵素の働きを阻害して酸を作りにくくする強力な作用があることが研究で分かっています。
さらに酸味成分であるリンゴ酸やクエン酸が刺激となり、大量の唾液が分泌されるため、口の中の酸性度を中和する効果も期待できます。
リンゴの虫歯予防効果を活かすなら、必ず生のまま、できれば皮ごと食べるようにしてください。
加熱してコンポートにしたり、ジュースに加工したりすると、大切な繊維質が壊れてしまうだけでなく、果糖がむき出しになって虫歯のリスクが高まってしまいます。
その他、一切れずつ小さくカットするよりも、少し大きめに切って前歯で噛みちぎるように食べると、歯茎のセルフクリーニング効果やマッサージ効果がより高まります。
ただし、リンゴ自体にも果糖や酸が含まれているため、食べた後にそのまま寝てしまうのは禁物です。
食後30分ほど経ってから、あるいは食べた直後に水で一杯口をゆすぐだけでも、リンゴの持つ予防効果を余すことなく享受できます。
まとめ
旬の食べ物、特に秋の味覚には美味しいものが多く、ついつい好みのものばかり食べてしまいがちです。
しかし虫歯予防を徹底するのであれば、前述したような秋の味覚も、食べ方や調理法に気を付けなければいけません。
しっかり旬のものを食べつつ、なおかつ虫歯も予防できれば、予防歯科としてこれほど効率的なことはないと言えます。
