子どもを持つ親御さんは、自身の子の対し「健康に育ってほしい」と考え、色々な工夫をしていることでしょう。
また、子どもの歯の健康に気を遣っている方も多いかと思いますが、乳歯は欠けてしまうことが多いです。
今回は、子どもの歯が欠ける原因や治療法などを解説します。
子どもの歯が欠けるのはなぜ?
子どもの乳歯は、主に以下のような原因で欠けたり、割れたりすることがあります。
・外傷
・虫歯
・酸蝕歯
・食いしばり
各項目について詳しく説明します。
外傷
ここでいう外傷とは、主に転倒による外傷を指しています。
子どもは普段から走り回る機会が多く、大人と比べて転倒のリスクが高いです。
その他、頭の重さを支える足腰が不安定であることも、転倒しやすい理由です。
また子どもは頭や顔から転倒することも多く、このときには歯だけでなく唇や口内などに裂傷が見られることもあります。
そのため、親御さんは自宅における転倒のリスクを減らし、なるべく目が届くところで様子を見ておかなければいけません。
ちなみに、学校など目の届かないところでも同じようなリスクがあるため、日頃から走り回らないように指導しておくことも大切です。
虫歯
子どもの乳歯は、虫歯が原因で欠けてしまうこともあります。
正確に言うと、虫歯は乳歯を欠損もしくは破損させやすくする疾患です。
虫歯を発症している場合、虫歯菌が酸を生成し、少しずつ歯を溶かしていきます。
歯の表面はエナメル質という硬度の高い成分で覆われていますが、虫歯菌に侵食され溶けてしまうと、歯が脆くなって欠けるリスクが高まります。
もちろん、このような状態で煎餅やナッツなどの硬いものを食べると、脆くなった歯が耐え切れずに欠ける可能性が高いです。
また骨付き肉など、かぶりつくようにして食べなければいけないものも、歯が脆くなっている状態で食べるのは危険です。
酸蝕歯
酸蝕歯は虫歯菌ではなく、食事から摂取される酸によって歯が溶けてしまい、強度が落ちている状態です。
例えばダラダラ食べをしている子どもなどは、歯が酸性に傾いている時間が長く、酸蝕歯を引き起こしやすくなります。
またこのような状態で歯にダメージが加わると、それほど大きな力でなくても乳歯が欠けたり割れたりすることがあります。
ちなみに、子どもは甘いジュースを飲む機会も多いですが、こちらは酸性が強くなくても歯を溶かすことが考えられます。
特にpH値が低いコーラなどは、歯を溶かしやすいため注意が必要です。
食いしばり
食いしばりについても、歯が欠けてしまう原因になり得ます。
こちらは日中に行うもの、睡眠中に行うもののいずれも含まれます。
睡眠中だけでなく、スポーツをしているときなどにも、子どもは無意識に食いしばりをしていることがあります。
食いしばりは上下の歯と歯を激しく押し合うような形になるため、歯が脆くなったり欠けたりすることにつながります。
また睡眠中に関しては、歯ぎしりが行われることもあります。
歯ぎしりと食いしばり、両方見られる子どもは、当然より歯の欠損・破損リスクが高まります。
子どもの歯が欠けた場合の治療法
転倒による外傷で子どもの歯が欠けた場合、症状がどの程度かによって治療法が異なります。
歯のほんの一部だけ欠けている場合、歯自体の痛みは少ないため、神経などにも傷がついていない可能性が高いです。
治療についてはそこまで焦る必要はありませんが、なるべく早めに歯科クリニックを受診し、詰め物や被せ物を装着することをおすすめします。
もちろん、子どもが歯の痛みを訴える場合は、軽度でも急いで歯科クリニックを訪れるべきです。
一方歯が大きく欠損し、外傷が神経にまで達しているような場合、歯茎の強い痛みや腫れが見られる可能性が高いです。
またこのようなケースでは口内もしくは口周りからの出血が見られることも多々あり、神経の損傷が見られる場合、根管治療が必要になることもあります。
ちなみに歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、検査によって原因を突き止めた上で矯正治療を行います。
虫歯で子どもの歯が欠けた場合の治療法
虫歯で乳歯が欠けた場合、虫歯は重度にまで進行している可能性があります。
このようなケースでは、外傷のダメージが大きかったときと同じく、根管治療が採用されことが考えられます。
ちなみに虫歯の根管治療については、乳歯の状態を回復させるだけでなく、これから生えてくる永久歯に良い影響を与えることにもつながります。
もし神経にまで虫歯菌が侵入してしまうと、根の先に膿が溜まり、永久歯を変色させたり歯並びを悪化させたりすることがあるからです。
まとめ
子どもの歯が欠けたり割れたりした場合、親御さんの中にはパニックに陥る方もいるかと思います。
気持ちは理解できますが、このような場合は冷静になり、症状に合わせた正しい対処が必要です。
また虫歯や酸蝕歯、歯ぎしりや食いしばりなどがある場合、少しずつ乳歯へのダメージが蓄積されていきます。
そのため、ある日急に欠けることを防ぐために、日頃から定期検診を受けさせることが大切です。