【武蔵小金井駅前の歯医者で歯周病治療】歯周病とアトピー性皮膚炎の関係とは?

歯周病は、主に歯茎の腫れや出血、低下などが見られる疾患であり、成人の8割が発症していると言われています。
また歯周病は口腔疾患の一つでありながら、さまざまな全身疾患と関係のあるおそろしい疾患として知られています。
今回は、歯周病とアトピー性皮膚炎の関係について解説します。

炎症性サイトカインによる皮膚炎症の増幅

歯周病が進行すると、歯茎の組織の中で炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)と呼ばれる免疫物質が過剰に作られます。
歯周病は年単位で続く慢性的な炎症であるため、これらの物質は長期間にわたって作られ続け、腫れた歯茎の毛細血管から全身の血液中へと流れ出します。

血流に乗って全身を巡った炎症性サイトカインが皮膚へと到達すると、皮膚の細胞や免疫細胞を刺激し、慢性的な皮膚炎症をさらに増幅させてしまいます。

アトピー性皮膚炎は、もともと肌のバリア機能が低下して慢性的な炎症が起きている状態です。
そこへ口の中から運ばれてきた強力な炎症物質が加わることで、湿疹や赤み、そして激しい痒みがさらに悪化するという最悪の悪循環に陥ります。

近年の臨床研究でも、重度の歯周病を患っている方ほどアトピー性皮膚炎の症状が重くなりやすいことが報告されています。

口の中という、一見皮膚とは無関係に思える場所で起きている慢性炎症を適切にコントロールすることは、アトピー性皮膚炎の症状を鎮めるための重要なアプローチとなります。

皮膚科での治療を続けていてもなかなか症状が改善しない場合は、歯科クリニックで歯茎の状態をチェックし、口の中の炎症の火種を消すことが推奨されています。

免疫システムのバランス崩壊

アトピー性皮膚炎の発症や症状の悪化には、体内の免疫システムのバランスが大きく関わっています。

人間の免疫反応には、主に細菌やウイルスに対抗するTh1細胞と、アレルギー反応を司るTh2細胞があり、双方が天秤のようにバランスを保っています。
アトピー性皮膚炎の患者さんの体内では、このバランスがTh2細胞側に大きく傾いています。

近年の研究により、歯周病菌やその代謝産物が体内に持続的に侵入し続けると、この免疫の天秤をさらにTh2優位へと傾けてしまうことが分かってきました。
歯周病菌という慢性的で強力な外敵が常に口の中に存在することで、免疫システムが過剰に刺激され、結果としてアレルギー反応を抑制する力が弱まってしまうのです。

これにより、ハウスダストや食べ物、衣類の摩擦といった日常的な刺激に対しても、皮膚が過敏に反応して激しい痒みや湿疹を引き起こしやすくなります。

大人になってからアトピーが再発したり悪化したりするケースでは、このような歯周病による免疫バランスの乱れが隠れた原因になっていることが少なくありません。
口内の環境を整えて歯周病菌の数を減らすことは、乱れた免疫システムのバランスを正常な状態へと引き戻し、アトピー体質そのものを根本から安定させるための有効な手段です。

細菌や毒素が血流を巡る病巣感染

歯周病が進行して歯茎が慢性的に腫れると、歯と歯茎の間の組織は常に傷つき、出血しやすいデリケートな状態になります。
これは実質的に、皮膚や粘膜に大きな傷口が開きっぱなしになっているのと同じ状態です。

この傷口から、口の中に潜む大量の歯周病菌や、細菌が死滅するときに放出する内毒素が、日常的な咀嚼やブラッシングのたびに血管内へと侵入します。
このように、体の一部分にある感染巣が原因となって離れた臓器に病気を引き起こす現象を病巣感染と呼びます。

血流に乗って皮膚の微小血管まで到達した歯周病菌や内毒素は、皮膚に存在する免疫細胞を直接刺激し、炎症を活性化させる引き金になります。

アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は、もともとバリア機能が弱いため外部からの刺激に脆弱です。
その上、体内からもこのように絶えず細菌や毒素による爆撃を受けることで、皮膚の修復が追いつかなくなり、湿疹の慢性化や重症化を招きます。

ステロイド外用薬などを用いた適切な治療を行っているにもかかわらず、一向に症状が改善しない場合、歯周病が原因となって毒素を送り込み続けている可能性があります。
皮膚の治療と並行して、原因不明の毒素の供給源である歯周病を根本から治療することが重要です。

治療による相互作用

歯周病とアトピー性皮膚炎の関連性については、大規模な疫学調査によってもそのリスクが明確に示されています。
海外で行われた追跡調査によると、歯周病を患っている方は、そうでない健康な人と比べてアトピー性皮膚炎を発症するリスクが約2.5倍も高くなることが判明しました。

また、この研究には非常に重要な続きがあります。
同じ歯周病患者であっても、スケーリングを受けていたグループは、治療を受けていなかったグループに比べて、アトピー性皮膚炎の発症リスクや症状の悪化率が大幅に低下していました。

これは、定期的なプロによる口腔メンテナンスによって口の中の細菌数が劇的に減少し、全身へ流れ込む炎症物質や毒素の量が抑えられた結果であると考えられます。

つまり、歯科治療によって口の健康を守ることは、アトピー性皮膚炎をはじめとする全身の皮膚トラブルの予防や症状緩和に直接的な好影響をもたらすということです。

皮膚科でのスキンケアや薬物療法に加えて、歯科クリニックでの定期的なケアを取り入れるという方法は、アトピーを改善させるための新たなスタンダードになりつつあります。

まとめ

歯周病と関係性のある疾患は、枚挙にいとまがありません。
今回解説したアトピー性皮膚炎は、数ある関連疾患のうちの一つに過ぎず、歯周病の放置は他にもあらゆる全身疾患の引き金になります。
中には心疾患など、命の危機にさらされるような疾患もあるため、適切なセルフケアとプロフェッショナルケアで歯周病を予防することが大切です。

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