虫歯予防を行うにあたって、甘いものの摂取を極力控えるのは基本的なことです。
また甘いものと言えば代表的なものに生クリームが挙げられますが、生クリーム自体に砂糖が入っていなければ、虫歯予防の観点から見て問題ないのでしょうか?
今回は、生クリームの摂取における注意点について解説します。
虫歯予防の観点から見た生クリームの注意点4選
虫歯予防の観点から見た生クリームの注意点としては、主に以下のことが挙げられます。
・酸性状態の長期化
・隠れた糖質のリスク
・プラークの蓄積
・夜間の摂取リスク
各項目について詳しく説明します。
酸性状態の長期化
生クリームそのものに砂糖が含まれていなくても、お菓子作りやトッピングに使用する際は砂糖を加えてホイップすることが一般的です。
砂糖が含まれた生クリームを口にすると、口の中に潜む虫歯菌がその糖分を栄養にして酸を作り出します。
通常私たちの口腔内は中性に保たれていますが、酸が排出されることでpH値が下がり、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出す脱灰が始まります。
人間の唾液には、下がったpH値を元に戻し、溶け出した成分を修回する再石灰化の力があります。
しかし、生クリームを使ったスイーツを数回に分けて少しずつ食べたり、作業をしながら長時間だらだらと食べ続けたりすると、口の中が常に酸性のままになってしまいます。
唾液による修復が追いつかなくなり、脱灰の時間が再石灰化の時間を上回ることで、虫歯の発生リスクが飛躍的に高まります。
生クリームを摂取する際は、おやつの時間をきっちりと決め、15分~20分程度で食べ終えるメリハリのある習慣が非常に重要です。
隠れた糖質のリスク
市販されている生クリームには、大きく分けて生乳のみを原料とする純生クリームである動物性脂肪と、植物性脂肪(ホイップクリーム)の2種類があります。
また、あらかじめホイップされて絞り袋に入っている冷凍・冷蔵タイプのものも多く流通しています。
ここでもっとも注意すべきなのは、手軽に使えるホイップ済み製品や植物性ホイップの多くには、最初から大量の砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの糖分が添加されている点です。
自分で砂糖を調節できないため、知らず知らずのうちに多量の糖質を摂取することになり、虫歯菌の格好の餌となってしまいます。
虫歯を予防しながら生クリームのコクや風味を楽しみたい場合は、原材料が生乳のみである動物性の純生クリームを選び、自宅でホイップする際に砂糖を入れないことが大切です。
または、キシリトールやエリスリトールといった虫歯菌が酸を作れない代用甘味料を混ぜるのが賢明なアプローチです。
パッケージの裏面にある栄養成分表示や原材料名を必ず確認し、隠れた糖分を見落とさないようにしましょう。
プラークの蓄積
生クリームは非常に油分が多く、濃厚でクリーミーな質感が特徴です。
この滑らかな口当たりを生み出す高い粘着性は、口腔内においては虫歯のリスクを高める要因となります。
生クリームを食べた後、その脂肪分が歯の表面や歯と歯の間、あるいは歯と歯茎の境目にぴったりと張り付くように残ってしまいます。
このベタベタとした脂肪分の膜は水だけでは簡単に洗い流されにくく、口の中に残りやすいのが特徴です。
さらに厄介なことに、この脂肪の膜がフィルターのような役割を果たし、一緒に食べた砂糖や他の食べカス、虫歯菌を歯の表面に閉じ込める温床になってしまいます。
これが、時間とともにネバネバした細菌の塊であるプラークへと変化します。
プラークが形成されると、唾液が直接歯の表面に触れなくなるため、強力な虫歯予防効果である再石灰化が完全にブロックされてしまいます。
生クリームを摂取した後は、ただお茶を飲むだけでなく、脂肪分をしっかり洗い流す丁寧なブラッシングやデンタルフロスの使用が欠かせません。
夜間の摂取リスク
1日の中でもっとも虫歯リスクが高まる時間帯は夜間です。
私たちの体は、睡眠中になると身を守るために唾液の分泌量が劇的に減少するようにできています。
唾液には、虫歯菌が作った酸を中和する作用や、歯の修復を促す成分が含まれていますが、寝ている間はその恩恵をほとんど受けられません。
そのため、夕食後のデザートとして生クリームたっぷりのケーキを食べるなどすることは、虫歯菌にとってこれ以上ない好条件を与えてしまうことになります。
特に生クリームは粘着性が高いため、就寝前のブラッシングが不十分だと、寝ている間の数時間、糖分と脂肪分が歯に密着したままになり、一晩で一気に脱灰が進んでしまいます。
虫歯を効果的に予防するためには、生クリームを使った食品の摂取は唾液の分泌が活発な日中の時間帯にとどめ、遅い時間帯には口にしないという習慣の徹底が求められます。
まとめ
生クリームは、ほとんどの場合砂糖を含んだものを摂取することになります。
そのため、極力摂取量を減らしたり、代用甘味料が使用されたものを選んだりすることが大切です。
また生クリームと組み合わせることが多いチョコレートや粉糖なども、当然虫歯予防においては大敵です。
もちろん、摂取後のセルフケアについても丁寧さを意識しなければいけません。
