【武蔵小金井の歯医者】歯周病が貧血を引き起こすって本当?

歯周病は口内の問題だけでなく、さまざまな全身疾患につながることでも知られています。

放置していても治らないため、時間が経てば経つほど全身疾患のリスクは高まります。

また、歯周病は貧血を引き起こす原因になるとも言われています。

今回は、歯周病と貧血の関係を中心に解説したいと思います。

貧血の概要

そもそも貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が減少した状態のことをいいます。

ヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。

しかしヘモグロビンの量が少なくなると、運ぶことができる酸素の量も減少し、全身が酸欠状態になります。

すると、めまいや立ちくらみ、頭痛などさまざまな症状が現れるようになります。

特に、女性は月経で血液を失うため、酸欠になりやすいです。

中でも若い女性は、ダイエットや偏食など不摂生な食生活により、貧血になる方が増加傾向にあるとされています。

また、ヘモグロビンの元となる鉄が不足することによって生じる、酸欠乏性貧血が貧血全体の60~80%程度を占めています。

歯周病が貧血を引き起こすメカニズム

歯周病が貧血を引き起こす理由は、歯茎に流れる血液が不足することです。

歯茎の修復を行うにあたって重要なのが血流です。

具体的には、歯茎を治すのに必要な栄養や、細菌などを抑えてくれる白血球を血液が運んでいます。

しかし、歯茎の出血によって血液が不足すると、これらの機能が滞ってしまい、歯茎の修復がいつまで経っても行われません。

そのため、引き締まった歯茎ではなく、赤く腫れぼったい歯茎になってしまいます。

当然、歯茎が腫れた状態で歯磨きをすると出血が見られます。

また、少しのプラークでも増悪するようになり、引き締まった歯茎と比べてプラークに対する耐性が低くなります。

ちなみに、歯周病から来る貧血も、男性より女性の方が起こりやすいとされています。

貧血が原因で歯が痛くなることも

歯周病と貧血は深く関係していますが、貧血を引き起こすと、歯が痛くなることもあります。

先ほども触れたように、貧血になると歯茎への血液供給量が減少します。

こちらは、歯や歯茎が脆くなったり、免疫力が下がったりする原因になるため、それによって歯の痛みが生じることがあります。

つまり、歯周病⇒貧血⇒歯の痛みという悪循環ができあがってしまう可能性があるということです。

また、唾液が減少することも、貧血による歯の痛みの原因の一つです。

唾液は血液からつくられるもので、口内を清潔にしたり、歯の再石灰化を促したりして歯を修復する効果があります。

さらに細菌の働きを抑制する効果もあるため、唾液が減ると口内環境が悪化し、歯の痛みにつながる可能性があります。

歯周病によって起こる心臓の貧血

歯周病によって引き起こされるのは、一般的な貧血だけではありません。

心筋梗塞という心臓の貧血も引き起こします。

心臓を動かしている筋肉を心筋といい、そこに酸素や栄養を送り込んでいる血管を冠動脈といいます。

冠動脈から酸素や血液が心臓に送り込まれると、心臓は正常に働き、私たちは健康な生活を送ることができます。

しかし心臓の栄養素である血液の量が減少し、貧血状態になると、心筋が壊死し始めて心筋梗塞を起こします。

また、心筋梗塞は歯周病によって発症するケースがあります。

歯周病の原因菌の中には、強い病原性を持つものが10種類ほど存在します。

これらは歯茎の間に入り込む能力があり、さらに歯周病が進行すると、歯周ポケットの潰瘍から体内に入り込みます。

血流に乗って流れ込んだ細菌は、やがて冠動脈まで到達し、血管の細胞に入り込んで心筋梗塞を引き起こします。

貧血を予防する食事内容について

歯周病は貧血の原因になるものですが、こちらは食生活の改善によってある程度予防できます。

具体的には、ヘム鉄という吸収率の高い鉄分を多く含む食材がおすすめです。

ヘム鉄は、レバーやカツオなどの魚類に多く含まれています。

また、鉄の他にもヘモグロビンの材料になるタンパク質、鉄の吸収を高めるビタミンCなどの摂取も大切です。

鉄もタンパク質も多く含む食材には牛肉やレバー、カツオなどの赤身の魚、あさりなどが挙げられます。

ビタミンCは、緑黄色野菜や果物などに多く含まれています。

貧血予防のために摂取を避けるべき栄養素

カルシウムやシュウ酸、フィチン酸といった栄養素は、鉄の吸収を阻害します。

そのため、カルシウムを多く含む牛乳や乳製品を摂るときは、鉄分の多い食品とタイミングをずらすようにしましょう。

また、シュウ酸はホウレンソウなどの葉菜類の野菜やコーヒー、ココアなどに含まれています。

フィチン酸は、赤ワインや紅茶などに多く含まれます。

まとめ

歯周病が進行すると、それに比例して身体の負担はどんどん大きくなってきます。

また、歯周病は自覚症状が少ないため、気づいたときには大事になっている可能性も高いです。

さらに、進行した歯周病を改善させるのは非常に難しいため、日頃から歯や歯茎に良い習慣を心掛けなければいけません。

もちろん、歯科クリニックでの定期検診も必ず行うべきです。

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