虫歯と聞くと、歯に穴が開いたり、真っ黒に変色したりといった見た目の変化をイメージする方も多いかと思います。
もちろん、これらの認識は間違っていませんが、実は虫歯の見分け方には他にもいくつか方法があります。
今回は、あまり知られていない虫歯の見分け方について解説します。
あまり知られていない虫歯の見分け方4選
あまり知られていない虫歯の見分け方としては、主に以下のことが挙げられます。
・自宅用UVプラークチェッカーの活用
・舌先で触れたときのマットな質感と抵抗感
・気温や気圧の急激な変化で発生する歯の内部の微痛
・爪楊枝の先でなぞった際の弾力
各項目について詳しく説明します。
自宅用UVプラークチェッカーの活用
ドラッグストアやインターネット通販で手に入る、特定の波長を持つ紫外線や青紫色光を照射するプラークチェッカーを使用する方法は、極めて科学的な虫歯の見分け方です。
この特殊なライトを、部屋を暗くした状態で自分の歯に照射すると、プラークが光るだけでなく、虫歯菌が活発に活動・増殖する過程で排出するポルフィリンという代謝物質が反応を起こします。
具体的にはこの成分が光を吸収することで、怪しく不気味な赤紫色や鮮やかなオレンジ色に蛍光・発光します。
健康な歯の表面であれば、ライトを当てても白や青白く均一に写るだけですが、初期の虫歯が発生している部分は、独特の蛍光・発光を放ち続けます。
肉眼で見ると単なる汚れのように見える茶色いシミも、このUVライトを当てることで汚れなのか、歯を溶かしている虫歯の温床なのかを一発で見分けることが可能です。
舌先で触れたときのマットな質感と抵抗感
鏡で見ても色の変化がほとんど分からないような超初期の虫歯は、人間の身体の中でも特に鋭敏な触覚を持っている舌の先を使うことで、高確率で見分けることができます。
健康な歯を覆うエナメル質は、唾液の成分によって常に滑らかに潤されていて、舌先で触れるとツルツル、ピカピカとしたガラスの表面のような心地良い質感をしています。
しかし虫歯の初期段階が始まり、歯の主成分であるカルシウムやリンが酸によって溶け出し始めると、その部分の表面は無数の穴が開き、構造がスカスカになってしまいます。
そのため、触ったときの感触がまるで学校のチョークや目の粗いすりガラスのような、ザラザラとしたマットで乾いた質感に変化します。
歯の表面や歯茎との境目に沿って、ゆっくりと舌先を滑らせてみましょう。
特定の場所だけでわずかな引っかかりを覚えたり、滑らかさがなく水分が吸い取られるような独特の摩擦抵抗を感知したりした場合、それは初期虫歯が始まっているサインです。
気温や気圧の急激な変化で発生する歯の内部の微痛
台風や爆弾低気圧の接近によって天候が急変したときや、飛行機に乗って離陸し上空へ飛び立った瞬間に、特定の歯の中にだけ特有の鈍い痛みを感じることがあります。
これは歯科の世界で気圧性歯痛あるいは航空歯痛と呼ばれる、環境の変化が引き起こす現象です。
虫歯が進行して歯の内部に目に見えない微小な空洞ができていると、周囲の気圧が急激に下がった際に、その密閉された空洞の中に閉じ込められている空気の体積が物理の法則に従って膨張します。
しかし、歯は人間の体の中でもっとも硬い組織で囲まれているため外側には膨らむことができず、膨張した空気の圧力がすべて内部にある敏感な神経へとダイレクトに向かい、内側から強く圧迫することになります。
普段の日常生活の平穏な気圧下ではまったく痛まないような隠れた虫歯であっても、気圧の変動というトリガーが引かれることで、高性能な気圧計のように不調を訴え始めます。
天気が崩れるたびに、あるいはフライトのたびに決まって同じ歯が重だるく痛むのであれば、内部で虫歯が空洞を作っている可能性を疑うべきです。
爪楊枝の先でなぞった際の弾力
健康な歯の表面を隙間なく覆っているエナメル質という組織は、実は人間の身体の中で最も高い硬度を誇り、モース硬度では鉄よりも硬いと言われています。
そのため、金属の器具や硬い爪楊枝の先で小突いても、コンコンと硬質な感触が跳ね返ってくるだけです。
しかし、虫歯菌の酸によって内部の構造が破壊され始めた箇所は、一見表面の形が保たれているように見えても、その下にある象牙質が脱灰し、水分を含んで軟化していきます。
そのため、手元に一般的な木製の爪楊枝を用意し、力を全く入れずに、歯の噛み合わせにある複雑な溝や、怪しいと感じる黒い点の上を優しくなぞるように滑らせてみてください。
その際消しゴムの表面や、硬めのクッションに針先がわずかに沈み込むような、独特の弾力や粘り気のあるやわらかさを感じる箇所があれば、単なる着色汚れではありません。
間違いなくその奥で虫歯が進行し、歯の組織がふやけてボロボロになっている軟化象牙質が形成されている証拠です。
まとめ
虫歯を見分ける方法は、一つでも多く知っておくことが望ましいです。
痛みが出るものや、真っ黒に変色したものだけが虫歯ではありません。
また虫歯を見分け、早期発見・早期治療に繋げるためには、歯科クリニックでの定期検診が必要不可欠です。
定期検診で虫歯が見つかれば、場合によってはそのままスムーズに治療へ移ることができる可能性もあります。
