ギャンブルは、楽しむ程度であればストレス発散になりますし、決して悪いイメージばかりではありません。
しかし、実はギャンブルは虫歯と関係性があり、この観点で言うとあまり良い趣味ではないと言えます。
今回は、具体的にどのような関係性があるのかについて解説します。
慢性的な心理的ストレスと免疫力低下
ギャンブルは一時的な脳の興奮をもたらす一方で、負けたときの激しい絶望感や自己嫌悪、将来への金銭的な不安、家族との人間関係の破綻など凄まじいストレスを伴います。
この慢性的なストレスを受け続けると、人間の身体はストレスに対抗するために、副腎皮質からコルチゾールというホルモンを過剰に分泌するようになります。
コルチゾールは適量であれば身体を守る働きをしますが、長期的に過剰分泌されると、体内の免疫機能を著しく抑制してしまう作用を持っています。
その結果、全身の免疫力が低下し、口腔内の細菌に対する抵抗力も同時に弱まってしまいます。
健康な状態であれば、唾液や免疫システムによって活動が抑えられている虫歯菌や歯周病菌が、免疫の網をかいくぐって爆発的に増殖しやすくなります。
また心理的なストレスは自律神経のバランスをさらに乱すため、前述した唾液分泌の低下をさらに悪化させる悪循環を生み出します。
精神的に極限まで追い詰められた状態は、身体の防御反応を内側から破壊し、虫歯が驚くほどのスピードで多発・重症化しやすい土壌を作り上げてしまいます。
睡眠不足とブラキシズムの誘発
ギャンブル依存の傾向がある人は、深夜までベッティングに没頭したり、負けた悔しさや借金のプレッシャーから激しい不眠症に悩まされたりすることが珍しくありません。
このような慢性的な睡眠不足は、自律神経の調和を大きく乱し、全身の代謝や組織の修復機能を低下させますが、口腔内においては歯ぎしりを誘発する最大の引き金となります。
ギャンブル中の極度の緊張状態や、睡眠中に脳が処理しきれない精神的ストレスの排出口として、無意識のうちに上下の歯を激しく擦り合わせたり、噛み締めたりしてしまうのです。
この強い物理的な力により、歯の表面にある最も硬いエナメル質が少しずつ削られたり、目に見えないマイクロクラックという微小なひび割れが生じたりします。
傷ついたエナメル質やひび割れの部分には、虫歯菌や酸が非常に侵入しやすくなるため、通常の口腔環境よりも遥かに速いスピードで虫歯が深部へと進行していきます。
質の悪い睡眠習慣が、物理的かつ生物学的に歯の寿命を縮めます。
喫煙や飲酒など他の依存行動との連鎖
ギャンブル依存と、ニコチン依存やアルコール依存には、非常に強いクロスディペンダンシー(交叉依存)の関係が認められています。
パチンコ店での遊技中や、競馬のレースを待つ時間などに、手持ち無沙汰の解消や負けのイライラを鎮める目的でタバコを頻繁に吸ったり、お酒を飲んだりする人は非常に多いです。
タバコに含まれるニコチンは、血管を急激に収縮させる作用があるため、歯茎の血流を悪化させて局所の免疫力を著しく低下させます。
さらに、タバコのヤニは歯の表面をザラザラにさせるため、虫歯菌の塊であるプラークが付着しやすくなります。
一方、アルコールには強い利尿作用があるため、飲酒後は体内の水分が奪われ、深刻な脱水症状とドライマウスを引き起こします。
これに加えて、お酒自体に含まれる糖分や酸、酔っ払って歯を磨かずに寝てしまうという最悪の行動パターンが重なることで、虫歯のリスクは何倍にも膨れ上がります。
セルフネグレクトへの発展
ギャンブル依存が最終的な重症段階に達すると、人生におけるすべての価値観や人間らしい生活への意欲が崩壊し、セルフネグレクトと呼ばれる深刻な状態に陥ることがあります。
これは自分の健康、衛生状態、居住環境などに対してまったく関心を持てなくなり、人間として生きるための最低限のセルフケアすら完全に放棄してしまう精神的な病理状態です。
この段階にまで達してしまうと、虫歯が進行して激しい激痛や歯茎の腫れが生じていても、「自分の身体なんてどうでもいい」と思考を放棄し、完全に放置するようになります。
周囲の人間から見れば明らかに異様な状態であっても、本人は身だしなみや強烈な口臭、歯の欠損をまったく気にしなくなります。
結果として、口の中のほぼすべての歯が虫歯によって黒くボロボロになり、根元だけが残る崩壊歯列の状態に至ることも少なくありません。
ギャンブルによって人間らしい尊厳が失われた結果、その象徴として口内の健康が完全に崩壊してしまうのです。
まとめ
前述したように、ギャンブルは虫歯のリスクを急速に高め、ひどい場合は人としての最低限の生活すらままならない状況に陥らせてしまうものです。
そのため、使う時間やお金はあらかじめ制限を定めておき、そのルールに則って日々健全にギャンブルに興じなければいけません。
ギャンブルが生活の一部どころか大半を占める状況は、明らかに危険な状況だと言えます。
