根菜類は、硬さがあるため唾液の分泌量が促進されたり、線維質が直接歯の表面の食べカスやプラークを絡め取ったりしてくれます。
そのため、虫歯予防を行うのであれば必須の食材と言えます。
今回は、そんな根菜類の虫歯予防効果をさらにアップさせる方法について解説します。
根菜類の虫歯予防効果を上げる方法4選
根菜類の虫歯予防効果を最大限に活かすには、以下のような方法がおすすめです。
・大きめにカットして咀嚼回数を増やす
・ビタミンDや油分と組み合わせて吸収率を上げる
・ポリフェノールやプレバイオティクスで口内細菌を整える
・調理時の糖分を抑えてミネラルを死守する
各項目について詳しく説明します。
大きめにカットして咀嚼回数を増やす
根菜類が持つ最大の虫歯予防メリットの一つは、その硬さと繊維質の豊富さにあります。
この特性をフルに活かすためには、調理時の食材の切り方を工夫し、あえて大きめ、あるいは厚めにカットすることが極めて重要です。
人間は硬いものや繊維質の多いものを食べるとき、自然と噛む回数が増えます。
しっかり噛むことは、口の中の強力な自浄作用を持つ唾液の分泌を爆発的に促します。
唾液には、虫歯菌が作り出す酸を中和して口内を中性に保つ緩衝能などの働きがあります。
また繊維質の多いゴボウやレンコン、ニンジンなどをしっかり噛み砕くプロセスが、歯の表面に付着した軽度な汚れやプラークを物理的に落とす自浄作用としても機能します。
逆に根菜類を細かく刻みすぎたり、クタクタになるまでやわらかく煮込みすぎたりすると、咀嚼回数が減って唾液が出にくくなり、この天然の虫歯予防システムが十分に働きません。
ゴボウなら乱切り、レンコンなら厚めの輪切り、ニンジンなら大きめのスティック状にするなど、前歯で噛み切り、奥歯ですり潰す必要があるサイズ感を意識して調理しましょう。
ビタミンDや油分と組み合わせて吸収率を上げる
根菜類には、歯の土台やエナメル質を強固にするために欠かせないカルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれています。
しかし、これらのミネラルは単体で摂取しても体内への吸収率がそれほど高くないという弱点があります。
そこで、虫歯に負けない強い歯を作るためには、これらのミネラルを効率良く身体に吸収させるための食べ合わせの工夫が不可欠です。
具体的には、カルシウムの吸収を劇的に助けるビタミンDを多く含む食材や、脂溶性成分の吸収を促す良質な油分を根菜類と組み合わせることが効果的です。
ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウムを歯や骨へと定着させる重要な司令塔の役割を果たしています。
例えばニンジンや大根、サトイモなどを調理する際、ビタミンDが豊富なサケやサバなどの魚類、または椎茸やキクラゲなどと一緒に煮物やスープにすることをおすすめします。
さらに、ニンジンに豊富に含まれるβ-カロテンは脂溶性ビタミンであるため、ごま油やオリーブオイルを使って炒めることで吸収率が跳ね上がります。
きんぴらごぼうに少量の油を使い、仕上げにカルシウム豊富なゴマを振るような伝統的な調理法は、理にかなった虫歯予防メニューと言えます。
ポリフェノールやプレバイオティクスで口内細菌を整える
虫歯の原因は、口の中にいるミュータンス菌などの細菌が糖分をエサにして酸を作り出すことです。
そのため、口内の細菌バランスを悪玉菌優位にさせないことが予防の鍵になります。
根菜類には、抗菌作用を持つポリフェノールや、腸内環境だけでなく口内環境も整えるプレバイオティクスが凝縮されていて、これらを摂取することで虫歯菌の活動を抑制できます。
例えばレンコンやゴボウを切ったときに黒く変色する原因である成分には、強い抗酸化作用と抗菌作用を持つポリフェノールが含まれています。
これらは虫歯菌の増殖を抑え、歯にプラークが付着するのを防ぐ効果が期待されています。
調理の際、水に長時間さらしすぎるとこれらの有効成分が水に溶け出して逃げてしまいます。
このことから、アク抜きは短時間に留めるか、アク抜きをせずに調理してポリフェノールを丸ごと摂取するのが虫歯予防の効果を上げるコツです。
またゴボウや大根などに多く含まれる水溶性・不溶性の食物繊維やフラクトオリゴ糖は、口内の善玉菌をサポートし、悪玉菌の過剰な繁殖を抑える環境作りに寄与します。
口の中の健康は消化管の入り口として腸内環境とも直結しているため、根菜類を日常的に食べることで免疫力を高め、虫歯菌が繁殖しにくい体内環境を維持することができます。
調理時の糖分を控えてミネラルを死守する
根菜類、特にサツマイモ、カボチャ、レンコンなどは、野菜の中でも比較的糖質を多く含んでいるという側面があります。
いくら歯に良いミネラルや食物繊維が豊富であっても、調理の段階で砂糖、みりん、市販の甘いタレなどを大量に使って味付けをしてしまうと、むしろ虫歯のリスクを高まります。
虫歯菌は口内に入ってきた糖分を分解して酸を作り出し、その酸が歯を溶かします。
特に粘り気のある甘い味付けは、根菜類の繊維と一緒に歯の隙間や溝に長時間留まりやすくなり、虫歯菌に絶え間なくエサを与え続ける最悪の状況を作り出します。
そのため、根菜類の虫歯予防効果を最大限に引き出すためには、調理時の引き算の味付けが絶対条件です。
対策としては、砂糖の代わりに、虫歯菌のエサにならない天然由来の甘味料であるエリスリトールやキシリトールを活用することが挙げられます。
またもっともおすすめなのは、出汁の旨味をしっかり効かせたり、素材そのものが持つ自然な甘みを引き出したりする調理法を選ぶことです。
大根やニンジンのスープ、少量の塩とハーブでローストした根菜グリルなどにすれば、糖質の過剰摂取を防ぎつつ、根菜の純粋なミネラルだけを安全に摂取できます。
まとめ
根菜類の食べ方や調理方法を間違えると、せっかくの虫歯予防効果が減少してしまう可能性があります。
そのため、徹底的に虫歯を予防したいのであれば、前述した方法は必ず意識してください。
また虫歯予防では食生活の改善だけでなく、セルフケアや歯科クリニックでのプロケアといった直接的な口内環境の改善にも取り組む必要があります。
